自分にあった避妊法をさがす―各避妊法のメカニズム―

避妊の基礎知識

現在、日本で最も一般的な避妊法であるコンドームは、避妊に失敗する確率が2~15%です。基礎体温法、腟外射精などについても、それ以上の失敗率が報告されています。
このように、「大丈夫」と思って実践している避妊法でも、高い割合で妊娠する可能性があります。避妊法それぞれのしくみや避妊効果を理解した上で、あなたの実践している避妊法を見直してみましょう。
 
・低用量ピル(OC)
避妊のポイントである「排卵させない」「受精卵を着床させない」「精子の進入を防ぐ」の3つのしくみによって避妊する飲み薬です。
低用量ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれており、毎日服用を続けることで、排卵を抑制します。また、排卵し受精したとしても着床しないよう、からだの状態を整えます。子宮頸管から分泌される粘液の粘度が増すので、精子や病原菌が容易に子宮内に侵入できないようにする効果もあります。
低用量ピルを正しく服用し続けた場合、避妊に失敗する確率は0.3%です。ただし、性感染症(STD)の予防はできないことを考慮する必要があります。
 
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・コンドームの着用
避妊のポイントである「精子の進入を防ぐ」方法です。
男性性器に天然ゴムなどのカバーを装着し、その中に射精をします。日本では最もポピュラーな避妊法として用いられてきましたが、2~15%前後の失敗率であることから、もはや避妊法と呼ぶにはふさわしくありません。世界では、コンドームは性感染症(STD)の予防のために用いられているのが一般的です。日本でも、意識を変える必要があります。
 
・女性用コンドーム
 避妊のポイントである「精子の進入を防ぐ」方法です。
リングつきのコンドームで、女性が腟内に装着して使用します。外陰部と腟内の双方をおおう構造なので、性感染症(STD)を予防できます。日本では目新しい器具ですが、世界では25カ国の女性によって年間約1000万個以上が使われています。ただし、避妊の失敗率は5%~21%と高率であることから、性感染症(STD)予防のために用いるものと考えた方がいいでしょう。
 
・殺精子剤
避妊のポイントである「進入した精子を殺す」方法です。
精子を殺すためのゼリーフィルム、錠剤をセックスの前に腟内に挿入します。ただし、避妊効果の持続は薬剤の挿入後5~60分間と限られています。また、失敗率が3~21%と高いことから、単独ではあまり用いられません。
 
・ペッサリー
避妊のポイントである「精子の進入を防ぐ」方法です。
女性の子宮の入り口にゴム製のふたのようなものをします。セックス前に自分で装着し、射精後8時間たってから取り出します。使用するには、婦人科医にサイズを選んでもらい、きちんとした指導を受ける必要があります。しかし、サイズが合わない、正しく装着できないなどの理由から、避妊に失敗することが多く、20%前後に上ります。
日本では、以前、ペッサリーによる避妊指導が盛んに行われていましたが、いまでは単独での避妊法としては用いられません。
 
・IUD(子宮内避妊具)
避妊のポイントである「受精卵を着床させない」方法です。
女性の子宮内に器具を入れ、受精しても着床できないようにするものです。一度挿入すると2~4年は使用できますが、不正出血や月経過多の原因となることもあります。
日本で以前使われていた、プラスチック製のプレーンIUDは、避妊に失敗する確率が5%程度であり、使用中に妊娠してしまうケースも多くありました。一方、銅付加IUDは、失敗率が0.3%と、卵管結紮手術に匹敵するほどの避妊効果です。1回挿入したら、他の避妊法は不要で、5年間は使用できます。また、近年登場したIUS(子宮内避妊システム)は、ホルモンが付加されたタイプのIUDで、ホルモンの働きで子宮内膜の増殖を抑制します。避妊効果も高く、他のIUDと異なり、月経量が減少し月経痛も緩和します。どのタイプのIUDも、月経、排卵は通常と同様にあり、妊娠を希望する場合はすぐに抜くことができます。
ただし、IUDを使用するには、必ず婦人科医に挿入・除去してもらいます。また、出産経験のない女性には向いていません。
*大田郁子: 産科と婦人科 2011; 11(53): 1341-8.
 
・腟外射精
避妊のポイントである「精子の進入を防ぐ」方法ですが、成功率が低く、避妊法とはいえません。
射精する直前に、腟から男性性器を出して、射精します。ただし、射精の前にも精子は出ているので、避妊しているとはいえません。失敗率も20%~35%と高く、他の避妊法がなかった時の緊急手段的なものとして考えた方がいいでしょう。
 
・基礎体温法
避妊のポイントである「月経の初日から体温が高温に移行して2日後まではセックスしない」方法です。
基礎体温は、いつ妊娠したかが振り返ってわかるものであり、前もって排卵の時期を予測できるものではありません。したがって、基礎体温による避妊は、避妊法と呼ぶにはふさわしくありません。
 
・避妊手術
女性は卵管を、男性の場合は精管を切り離すあるいは結紮する手術を行います。子供を産み終えた世代にとっては確実な避妊法といえますが、手術の後は、元の状態に戻すことができません。手術後に妊娠を希望する場合は、体外受精に頼らなければならなくなります。

受精のしくみと避妊具
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