バックナンバー Vol.2

ピルの基礎知識

木村奈々子さんの場合
 
年齢 36歳
職業 事務職
既婚
初経年齢 12歳
初めて低用量ピルを服用したとき 7年前から約3年間(現在は服用していない)
 
25歳の時に突如すさまじい月経困難症に襲われました。月経の度に、嘔吐、呼吸困難、パニック状態などさまざまな症状が。いくつかの婦人科を受診しても、一向によくならず、ますます心配になるばかり。思えば地獄の苦しみでした。あるドクターに出会うまでは。 



■私のピル服用前の月経にまつわるトラブル
 
  • 25歳くらいから、突如、極度の月経困難症に。必ずある症状は、腹痛、腰痛、吐き気、下痢、呼吸困難。
  • 月経初日から2日目あたりは、食事をしても全部吐いてしまうし、下してしまう。その上貧血もあるのでフラフラ。毎回月経の度にそんな状態で、月経周期も乱れていたので自分で予測がつけられず、会社もだいたい突然の病欠扱いになっていました。
  • 痛み止め、胃腸薬などの薬はすべて吐いてしまうのでダメ。
  • 恐ろしいのは突然の呼吸困難。ひとりの時に呼吸困難になるとパニックに陥り、このまま死んでしまうのではと思ったりしました。倒れて動けなくなり、病院で緊急治療を受けたことも。
 
 
■何人もの婦人科医を受診。それぞれが違う診断
 
とにかく日常生活の大きな妨げになっていたので、もちろん婦人科を受診していました。しかし、一向に症状はよくならないので、次から次へと違うドクターを受診。
 
  • ある婦人科医は、ビタミン不足によるものと、さまざまなサプリメント(ビタミン剤)を処方。
  • またあるドクターは、嘔吐の対策として、一日の食事を5食に分けて、少しずつ食事をするように指導。
  • ある大学病院キャリア30年のベテラン婦人科ドクターは、“子どもを生めば治るよ”と一蹴。これが一番腹立たしかった。
     
どのドクターも、規則正しい生活、食事と栄養といった生活指導が中心で、症状そのものを緩和する治療はありませんでした。
 
 
■はじめて出会ったピルは、ある外国人ドクターの処方
 
ほとほと困り果てている時に出会ったのが、外国人専門のクリニックを開業する外国人ドクター。受診すると“まず、これを試してみたら”とピルを処方。パッケージにも日本語がない外国製のピルでした。 ピルには副作用があるというのも聞いたことがありましたが、とにかく毎回のひどい症状から解放されるならと、藁にもすがる思いでした。
飲みはじめたら、次の月経からすぐに変化がありました。月経自体が軽くなり、さまざまな症状もなくなりました。しかも、月経のはじまる日が自分でわかる! いつ激しい症状に襲われるかわからずに、ビクビクしていた気持ちから解放されました。
私の場合、心配していた副作用もとくになく、太ることもありませんでした。
 
 
■月経困難症の克服に成功して
 
ピルのおかげで大変に救われました。月経困難症は、プライベートにも、仕事にも生活全体に影響していた悩みなので、精神的にとても楽になりました。
ピルを飲みはじめてしばらくして、私の月経困難症の原因のひとつは、極度のストレスだったのではないかと気づきました。当時は、仕事について、自分の生き方についての迷いや悩みをいろいろ抱えていた時期。ストレスで、ホルモンバランスがくずれてしまったのでは、と思い当たりました。
3年ほど服用した後、思い切って服用を中止しました。理由は、毎日飲み忘れないようにするのが意外にめんどうなこと、そして、ピルなしでも自分のホルモンバランスが保てるのでは、という期待がもてはじめたことです。
中止後は、月経痛などの症状が少し復活した感じでしたが、服用前のひどい状態ではなく、月経周期も普通になりました。現在も、ストレスがまったくないわけではありませんが、できるだけ無理をしない、心配しないように心がけています。
 
 
■ピル服用は、女性が自分の意志で
 
7年前ではありますが、外国人専門のクリニックに行かなければ、私自身、ピルと出会えなかったというのがおどろきでした。今は、近所の産婦人科でもちゃんとピルを処方してくれるのか、適切な説明をしてくれるのか、知りたいものです。
また、ピル服用についての世間の理解もまだまだ足りないのでないかと思います。私の経験では、“体によくない”“自然に逆らっている”“飲んでいる女性には避妊しなくても大丈夫”など、さまざまな偏見をもつ男性も多かったようです。 ピル服用は女性が自分の意志で決めることで、理解がない男性なら、たとえパートナーであっても服用を知らせる必要はないとも思いました。
仕事をしていく上でも、恋愛する上でも、ピルは現代女性にとって“頼もしい味方”です。自分の状態を知り、なぜ飲むのかという目的をはっきり意識してピルを利用することは、自分を大切にし、自分にベストな将来設計をすることに役立つと思います。 
私の外国人の女友だちが、結婚するまではずっとピルを飲み続け、結婚して子どもが欲しくなったので服用をやめ、すぐに妊娠、無事に元気な赤ちゃんを出産しました。海外の女性は自分を大切にし、自分でコントロールすることに慣れているなと感じます。これからは、日本の女性ももっとピルの可能性を理解し、試してみるべきだと思います。とくに若い女性にも知ってもらい、自分の将来設計に役立ててほしいですね。
 
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